■ 「完璧な彼」と、冷え切った紅茶の味
前編で ご紹介した、 40代前半の Bさん。
彼女が 「もう 婚活を やめたい」と 泣き出した きっかけとなった、
ある お見合いの お話を させてください。
お相手は、 40代半ばの 誠実な 公務員の 男性でした。
見た目も 清潔感があり、 お話も 穏やか。
何より、 Bさんの キャリアを 心から 尊敬し、
「素晴らしい ですね」と 優しく 微笑んで くれるような、
まさに 「理想の結婚相手」 を絵に描いたような 人でした。
都内の ホテルの ラウンジ。
窓の外に広がる 美しい 夕景をバックに、
二人の 会話は 淀みなく 進んで いきました。
仕事の話、 休日の過ごし方、 大切にしている 価値観。
どこを とっても 「合格点」 でした。
しかし、 Bさんの 心の中は、
外の景色とは 対照的に、
どんよりとした 「灰色の霧」 で 覆われて いました。
■ 理由のない「お断り」の正体
彼女は 目の前の カップの中で、
すっかり 冷め切って しまった 紅茶を 見つめながら、
こう 感じて いました。
「この人は、 何も 悪くない」
「でも、 どうしても 胸が 高鳴らない」
「沈黙が 流れるのが、 怖くて 仕方がない」
そして、 一時間の お見合いが 終わった 瞬間。
彼女は 逃げるように ラウンジを 後にしました。
駅へ向かう 人混みの 中で、
彼女の スマホの 指が、
反射的に 「交際お断り」 のボタンを 探していました。
「いい人 でした。 でも、 ピンとこないんです」
その夜、 私に 届いた メッセージには、
絶望にも 似た、 冷たい 響きが ありました。
■ あなたが求めている「ピン」の毒性
Bさんの 面談で、
私は 彼女に あえて 厳しい 問いを 投げかけました。
「Bさん。 あなたが 探している その 『ピン!』 という 感覚。
それ、 実は 『愛』ではなく『刺激中毒』 の結果 じゃないですか?」
彼女は ハッとして、 顔を 上げました。
実は、 多くの 婚活女性が 陥る 最大の 罠が、
ここに あります。
過去に 振り回される 恋愛や、
不安で 眠れないような 激しい 恋を 経験してきた 人は、
脳が その 「過剰な刺激」 を、
「愛」だと 誤解するように インプット されて しまっています。
これを ナオト式では、 「警戒心のときめき」 と呼びます。
お相手が 自分を 大切にして くれるかどうか 分からない 不安。
「嫌われる かもしれない」 という 恐怖。
その 「守りのモード」 が フル稼働 しているときに 分泌される、
アドレナリンや ドーパミンを、
「運命の 相手だから ドキドキ しているんだ」と、
「安心のセンサー」 が 誤作動 させている だけなのです。
■ 究極の「静寂」こそが、魂の答え
逆に、 Bさんが あの 誠実な 男性に対して 感じた、
「何も 感じない」 「退屈だ」 という 感覚。
それは、 彼女の 魂(本音)が、
「この人の隣なら、もう戦わなくていい」
「この人の隣なら、ありのままの私でいい」
と 認識したときに 訪れた、
最高に 贅沢な 「安心の静寂」 だったのです。
「ピンと こない」 という 言葉の 裏側にあるのは、
「彼が 退屈な男」 なのではなく、
あなたが 「戦わない 関係」に 対して、
「不感症」 に なっている という 残酷な 事実です。
あなたは、 温かな 陽だまりの 心地よさを、
「暑苦しい だけだ」 と言って、
わざわざ 凍てつく 夜の闇へと 戻ろうと して いませんか?
■ 比較の霧が隠しているもの
なぜ、 これほどまでに 「ピン」に こだわって しまうのか。
それは、 あなたの 中に、
「自分自身を信じる力」 が 欠けている からです。
「この人で 本当に いいのかな?」
「もっと いい人が いるんじゃない かな?」
そうやって、 「比較の霧」 の中に 身を置き、
脳内の 誰かと 目の前の 彼を 戦わせ続けて いる。
その 「品定め」 をしている あなたの 視線は、
お相手にも 冷たく 伝わっています。
あなたが 彼を 「データ」として 見ているとき、
彼もまた、 あなたの 「心の温度」 の低さに 絶望して いるのです。
運命とは、 空から 降ってくる 雷では ありません。
「この人と 一緒に、 幸せを 作っていこう」
という、 あなたの 「精神的自律」
に基づいた 「決意」 から 始まるもの なのです。
■ Bさんが見落としていたたった一つのこと
Bさんは、 あの 誠実な男性の ことを、
「私の 期待に 応えてくれる 道具」 としてしか、
見ていませんでした。
彼が どんな 想いで その日、 お店を選び、
どんな 緊張を 抱えて Bさんの 前に 座っていたか。
彼の 「人間としての 体温」に、
彼女は 一度も 触れようとは しなかったのです。
「ピンと こない」 という 言葉は、
「私は相手に関心を持つことを放棄しました」
という 傲慢な 宣言 でもあります。
Bさんは その後、 私の 個別コンサルを 通じて、
自分の 「心の軸」 が どれほど 外側に 向いていたかに、
ようやく 気づくことに なりました。
そして 彼女は、 一度 お断りした はずの あの
「公務員の男性」 に対して、
衝撃のアクション を 起こすことに なるのです。


